ポール・マッカートニー&ウイングスのラストアルバム『Back To The Egg』

1979年6月に発売されたポール・マッカートニー&ウイングスのラストアルバム『バック・トゥ・ジ・エッグ』を紹介します。原題は、Paul McCartney & WingsBack To The Egg』。
ポール・マッカートニーと、ビートルズのレコーディングエンジニアを務めたクリス・トーマスとの、共同プロデュース作品です。

ウイングスはメンバーチェンジが激しいグループでした。本アルバムでは不動の3人(ポール・マッカートニー、リンダ・マッカートニー、デニー・レイン)に新メンバーのローレンス・ジュバー(ギター)、スティーヴ・ホリー(ドラムス)が加わって初めてのアルバムですが、2人にとっては最初で最後のアルバムになってしまいました。

1980年1月の成田空港でのポール・マッカートニー大麻所持による現行犯逮捕、そして1980年12月のジョン・レノンの死去というショッキングな出来事を経て、ウイングスは自然消滅します。ウイングスとしての最後の活動は、ジョージ・ハリスンがジョン・レノンへの追悼歌としてリリースした『過ぎ去りし日々』へのコーラス参加でした(ポール、リンダ、デニー・レインの3人がコーラス参加しました)。

それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 レセプション

receptionの2つの意味、歓迎会とラジオ等の受信状態をかけたタイトルです。ラジオのチューニングから導かれる、短いインストルメンタル曲でアルバムが幕開けします。

A-2 ゲッティング・クローサー

前曲のラジオのチューニングから導かれてドーンと曲がスタートします。気持ちのよいロックンロールで、圧倒的なパワーと躍動感が溢れる私の大好きな曲です。シングルカットもされ、アメリカでは最高20位でした。

A-3 今宵楽しく

原題は『We’re Open Tonight』。前曲から一転してアコースティックギターの美しい曲です。ポールの弾き語りで、格調のあるメロディーです。

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A-4 スピン・イット・オン

パンク風のアレンジのカッコいい曲です。少し変わったメロディーラインに特徴がある曲で、ギターの音を逆回転で聴かせるところは、ビートルズのレコーディングエンジニアだったクリス・トーマスの本領発揮という印象を受けます。

A-5 アゲイン・アンド・アゲイン・アンド・アゲイン

デニー・レインの作品で、ヴォーカルもデニーです。デニー・レインらしい純朴な力強い曲で、私の大好きな曲です。デニー・レインのオリジナル曲がウイングスで取り上げられたのはアルバム『スピード・オブ・サウンド』の『やすらぎの時』(原題:Time to Hide)に次いで2曲目です。

A-6 オールド・サイアム・サー

イギリスで本アルバムからのファーストシングルとなった曲です。ヘビーなサウンドに乗せてポールがシャウトして歌っています。共同プロデューサーのクリス・トーマスはこの時期、元サディスティックミカバンドの福井ミカと同棲していました。その2人の関係からインスパイアされてポールが書いた曲と言われています。

A-7 アロウ・スルー・ミー

メロウな曲調が心地よい作品です。ブラス・セクションの音色が印象的です。日本でシングルカットされたレコードは「来日記念盤」となっていましたが、ポールが成田空港で大麻所持で逮捕され、幻のウイングス来日公演となってしまいました。

B-1 ロケストラのテーマ

原題は『Rockestra Theme』。オーケストラのような重厚なサウンドを創造してみたいという、ポールとクリス・トーマスの発想から生まれた作品で、オーケストラをもじってロケストラです。ビートルズが使用したことで有名なアビイロードの第2スタジオに20人を超えるミュージシャンが集まり、一発録りされています。ウイングスのメンバー以外に以下の有名ミュージシャンが参加していました。

 ギター:ピート・タウンゼント(ザ・フー)
 ギター:デイヴ・ギルモア(ピンク・フロイド)
 ギター:ハンク・マービン(シャドウズ)
 ベース:ロニー・レーン(元フェイセズ)
 ベース:ジョン・ポール・ジョーンズ(元レッド・ツェッペリン)
 ドラム:ジョン・ボーナム(元レッド・ツェッペリン)
 キーボード:ゲイリー・ブルッカー
 等々

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B-2 君のために

原題は『To You』。エルビス・コステロ風の作品で、これも私のお気に入りの曲です。力強いロックナンバーで、ポールのヴォーカルはパンクロッカーのようです。

B-3 アフター・ザ・ボール/ハウ・メニ―・ミリオン・マイルズ

ポール得意の、別々の2曲をくっつけて1曲にした作品です。ポールのソウルフルな歌声を堪能できる作品で、後半はオルガン1台をバックにアカペラで歌い上げています。

B-4 冬のバラ/ラヴ・アウェイク

原題は『Winter Rose/Love Awake』。前曲に引き続き、別々の2曲をくっつけて1曲にした曲です。メロディーメーカーのポールがまさに真骨頂を発揮したラヴバラードです。

B-5 ブロードキャスト

ピアノやメロトロンの調べをバックに格調高い英語の詩が朗読されます。朗読しているのはウイングスのメンバーではなく、はたしてウイングスの曲と言えるのか微妙な曲です。実験的な試みの曲で、曲というものの定義を考えさせられてしまうところはビートルズの『レボリューション9』のようです。

B-6 ソー・グラッド

原題は『So Glad To See You Here』。再びロケストラのメンバーによる録音で、こちらも一発録りされています。重厚なサウンドをバックにポールがシャウトしています。曲の最後にウイングスの演奏に切り替わり、本アルバム3曲目の『今宵楽しく』のリプライズが歌われます。

B-7 ベイビーズ・リクエスト

ノスタルジックなバラードでアルバムが締めくくられます。歌詞はポールと福井ミカとの会話から生まれました。ポールの大麻所持で中止になった1980年の日本公演で演奏予定の曲でした。

ポール・マッカートニー&ウイングス『バック・トゥ・ジ・エッグ』はおすすめアルバムです。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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