ポール・マッカートニー&ウイングス『スピード・オブ・サウンド』5人のアルバム

1976年に発売されたポール・マッカートニー&ウイングスのアルバム『スピード・オブ・サウンド』を紹介します。原題は『Wings at the Speed of Sound』。

ウイングスはメンバーチェンジが激しいグループでしたが、本アルバム制作時には不動の3人(ポール・マッカートニー、リンダ・マッカートニー、デニー・レイン)にジミー・マッカロク(ギター)とジョー・イングリッシュ(ドラムス)が加わっていました。名盤『ヴィーナス・アンド・マース』、本作、そして全米ツアーを慣行したウイングス黄金期のメンバーです。

全米ツアーを控え、本作はバンドとしての姿を強調するために、ウイングスのアルバムで唯一、5人のメンバー全員がヴォーカルを取ったアルバムになっています。前作『ヴィーナス・アンド・マース』はビートルズの『サージェントペパーズ』のような、いわゆるトータルアルバムでしたが、本作にはポール得意のアルバムのトータル性は感じられません。アルバム全体の流れよりも個々の曲の印象が強いアルバムです。5人の個性を前面に出して、一人一人の認知度を高める戦略だったのでしょう。

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それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 幸せのノック

原題は『Let’em In』。ヴォーカルはポールです。チャイムの音から始まる、低音が強調された曲です。単調なメロディーですが、ポールの温かさを感じる私の大好きな曲です。歌詞に出てくるBrother Johnはジョン・レノン、Martin Lutherはキング牧師です。アルバムからシングルカットされ、イギリス2位、アメリカ3位のヒットとなりました。コンサートでは本曲でデニー・レインがマーチングドラムを叩きました。『ウイングスUSAライヴ』に収録されています。

A-2 君のいないノート

原題は『The Note You Never Wrote』。ポールが作った曲ですが、ヴォーカルはデニー・レインです。スローバラードの曲で、ジミー・マッカロクのリードギターが感動的です。

A-3 僕のベイビー

原題は『She’s My Baby』。ヴォーカルはポールです。ファンキーな曲調の、おどけた感じの曲です。ポールらしい明るいポップナンバーです。

A-4 愛の証

原題は『Beware My Love』。ヴォーカルはポールです。重厚なロックナンバーで、コンサートでは強烈にシャウトしていました。『ウイングスUSAライヴ』に収録されています。

A-5 ワイノ・ジュンコ

ジミー・マッカロクとコリン・アレンによる作品で、ヴォーカルもジミー・マッカロクです。タイトルは「Wine Junkie」(アルコール中毒者)をもじったもので、実際にジミー・マッカロクはアルコールとドラッグを多用していた人物でした。彼は1977年9月にウイングスを脱退しますが、その2年後の1979年9月、ヘロインの過剰摂取による心臓発作で26歳の若さで亡くなっています。

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B-1 心のラヴ・ソング

原題は『Silly Love Songs』。ヴォーカルはポールです。ブラスセクションを大胆にフィーチャーした軽快なラヴソングです。晴れやかな、ポールの代表曲の1つです。本アルバムからのファーストシングルで、イギリス2位、アメリカ1位の大ヒットとなりました。『ウイングスUSAライヴ』にも収録されています。1984年のポールのアルバム『ヤァ!ブロード・ストリート』ではセルフカバーされています。

B-2 クック・オブ・ザ・ハウス

ポールが作った曲で、ヴォーカルはリンダです。曲の前後の料理音は実際にリンダが料理をしているときに録音されました。50年代ロックンロール風の楽しい曲です。

B-3 やすらぎの時

原題は『Time to Hide』。デニー・レインのオリジナル作品で、ヴォーカルもデニーです。彼の曲がウイングスで取り上げられたのは本曲が初めてです。哀愁あるメロディーのミディアムナンバーで私の大好きな曲です。『ウイングスUSAライヴ』にも収録されています。

B-4 マスト・ドゥ・サムシング

ドラマーのジョー・イングリッシュのためにポールが作った曲で、ジョーはウイングスのドラマーとして初めてヴォーカルを取りました。なかなかの美声で、陽気な歌声は魅力的です。残念ながらコンサートでの披露はありませんでした。

B-5 サン・フェリー・アン

ヴォーカルはポールです。アレンジがジャズ風で、ノスタルジックなフルートやホーンの音色が印象的です。

B-6 やさしい気持

原題は『Warm and Beautiful』。ヴォーカルはポールです。アルバムの最後を美しいバラード曲で締めくくっています。ポールらしい優しさに満ち溢れたメロディーに乗せて、ポールはピアノを弾きながら歌っています。

ポール・マッカートニー&ウイングス『スピード・オブ・サウンド』はおすすめアルバムです。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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