ポール・マッカートニー&ウイングス第2作『レッド・ローズ・スピードウェイ』

1973年に発売されたポール・マッカートニー&ウイングスの2作目のアルバム『レッド・ローズ・スピードウェイ』を紹介します。原題は『Red Rose Speedway』。

1971年に発売されたウイングスのファーストアルバム『ウイングス・ワイルド・ライフ』は粗削りな演奏でマスコミから酷評されたアルバムで、セールス的にも今一つでした。デビュー作のアーティスト名は単に「ウイングス」でしたが、レコード会社はウイングスだけでは知名度が低いため、アーティスト名に「ポール・マッカートニー」を加えるように命令します。ポールは仕方なく『ポール・マッカートニー&ウイングス』に変更を行ないました。その甲斐あってか、本作はアメリカのアルバムチャートで1位を獲得しています。

ウイングスはメンバーチェンジが激しいグループでしたが、本アルバムは1971年のウイングス結成時の4人(ポール・マッカートニー、リンダ・マッカートニー、デニー・レイン、デニー・シーウェル)にヘンリー・マカロックが加わった5人体制で制作されています。但し、1971年にマッカートニー夫妻が連名で発売したアルバム『ラム』のセッションで録音されていた曲もありました。

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それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 ビッグ・バーン・ベッド

1971年のアルバム『ラム』の11曲目『ラム・オン(リプライズ)』の最終部を発展させて完成させた曲です。ファンキーな曲で、荒々しいギターの音色が気持ちいい、私の大好きな曲です。

A-2 マイ・ラヴ

ポールの代表曲の1つで、リンダに捧げたラヴバラードです。本当に美しい曲で、『イエスタデイ』と並ぶ名曲と評価されています。本アルバムから唯一シングルカットされた曲でもあり、アメリカで1位を獲得しています。ポールのコンサートでよく歌われる曲で、ポールは「リンダのために」と言って歌い始めます。

A-3 ゲット・オン・ザ・ライト・シング

『ラム』のセッションで録音された曲です。ポールの快活なラヴソングで、ビートルズを想起させる曲調です。リンダのバックコーラスが耳に残る曲です。

A-4 ワン・モア・キッス

ポールのやさしいメロディーのラヴソングです。アコースティックギターとエレキギターの絡み合う音色が美しい曲です。

A-5 リトル・ラム・ドラゴンフライ

こちらも『ラム』のセッションで録音されていた曲ですが、仕上げはウイングスが行なっています。アコースティックギターの音色が印象に残る曲です。ポールが飼っていた羊の死を悼む曲ですが、「僕等が会うことはもうないだろう」「それでも君を思い慕う」「どうして僕等は誤ってしまったのだろう」といった歌詞は、当時、関係が悪化していた盟友ジョン・レノンに対するメッセージも込められていると言われています。

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B-1 シングル・ピジョン

ポール得意のピアノの弾き語りで始まるセンチメンタルな小作品です。ドラマーのデニー・シーウェルがベースを弾き、代わりにデニー・レインがドラムを叩くという「お遊び」をしています。

B-2 ホエン・ザ・ナイト

ポールのヴォーカルとリンダのバックコーラスの掛け合いが印象的な、温かみを感じる曲です。ポールのヴォーカルは後半シャウトに変わります。

B-3 ループ

重々しいイメージのインストルメンタル曲です。ウイングスらしくない作品で、本アルバムではこの曲だけ浮いている感じがします。実験的に取り組んだ作品といった印象です。

B-4 メドレー
1. ホールド・ミー・タイト
2. レイジー・ダイナマイト
3. ハンズ・オブ・ラヴ
4. パワー・カット

ポール得意のメドレーでアルバムが締めくくられます。メドレーで有名なのはビートルズ『アビイロード』のB面メドレーですが、出来の悪い曲をメドレーに組み入れた部分もありました(特にジョン・レノンの曲)。本アルバムのメドレーはそのようなことは無く、どの曲も素晴らしいメロディーです。未完成であった曲をまとめたというのが本当のところでしょうが、曲の展開もスムースで、さすがポールです。

メドレー1曲目の『ホールド・ミー・タイト』はビートルズに同じ名前の曲がありますが、別の曲です。尋ねられたポールは「よく覚えていない」とコメントしていますが、1963年の『ウィズ・ザ・ビートルズ』に収録された同名曲もポールの作品でした。10年前のことは忘れてしまったのですね。

メドレー2曲目の『レイジー・ダイナマイト』はデニー・レインのハーモニカがカントリーっぽい雰囲気を醸し出しています。

メドレー3曲目の『ハンズ・オブ・ラヴ』は曲の最初から最後まで、ポールとリンダがデュエットしている楽し気な曲です。

メドレー4曲目の『パワー・カット』は停電の意味で、ウイングスツアー中に停電があったことにインスパイアされてポールが書いた曲です。

ポール・マッカートニー&ウイングス『レッド・ローズ・スピードウェイ』はおすすめアルバムです。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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