オフコース『君におくる歌』鈴木康博が小田和正に贈った歌

1982年2月1日発売のオフコース23枚目のシングル『言葉にできない』のB面曲、『君におくる歌』を紹介します。
オフコースを去ることを心に決めたヤスさん(鈴木康博)が小田さんへ向けて歌った曲で、アルバム『over』にも収録されています。

抑揚があまりない淡々としたメロディーが、そのとき(脱退)に向けて淡々と時が過ぎていく当時の二人の心境を表しているように感じる曲です。コーラスをつけている小田さんの声が本当に切ないです。

 信じられないことは
 僕が君に別れを告げたこと

同じ夢を追いかけてニューミュージック界の頂点にまで昇りつめた二人。しかし、待ち受けていたのはオフコース=小田和正とする商業戦略で、ヤスさんはグループの片隅に追いやられます。後日、ヤスさんは「小田の楽曲に勝るものを書けない自分にジレンマを感じた」と率直に語りました。

 ふりはじめた雨は止まない
 悲しいね こんな別れは

ヤスさんと小田さんは高校から一緒に音楽活動を開始しました。ヤスさんは東工大、小田さんは東北大に進学したため、離ればなれになりましたが、休日にヤスさんが車に乗って仙台まで行って練習を続けました。

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 今 何を言えばいいの
 僕にできることは
 君に この歌おくること

ヤスさんが小田さんに「オフコースを抜けたい」と話したのは1980年の年末、『We are』リリース後のコンサートツアー中でした。小田さんと双璧をなすヤスさんが抜けるのですから「解散」となるのは当然の流れでしたが、オフコースは解散しませんでした。この内幕は、山際淳司『Give up ~ オフコース・ストーリー』に記録されています。

 過ぎゆく日々を 振り返らずに
 新しい夢を胸に 僕は今 旅立つ

小田色が強くなったオフコースの中で、ヤスさんは「イメージに縛られて曲が書けなくなった」と吐露しています。「鈴木康博という別の土俵を作らないと潰れちゃう」と感じたヤスさんはオフコースを旅立ちました。

 君に心から この歌おくる
 君にだけ心から この歌おくる

ヤスさんはオフコース時代を「宝」と表現し、小田さんも「宝物」と同意しました。ヤスさんも小田さんもオフコース時代の曲をコンサートでよく演奏しています。これはファンが喜ぶからというのが大きいでしょうが、自分が一番輝いていた「宝物」の楽曲というのもあるでしょうね。

本曲はヤスさんがオフコース時代の曲をセルフカバーしたアルバム『FORWARD』にも収録されています。聴いたことが無い方は探してみてください。

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