ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス』歴史的な3枚組大作

1970年11月27日に発売された元ビートルズ、ジョージ・ハリスンのソロアルバム『オール・シングス・マスト・パス』を紹介します。原題は、George HarrisonAll Things Must Pass』。

2001年に発売されたリマスターCD『オール・シングス・マスト・パス~ニュー・センチュリー・エディション~』のジャケットは彩色されたものですが、オリジナルジャケットはモノクロでした。

ビートルズ解散直後に発売された3枚組のLPレコードです(CDでは2枚組)。ジョージはビートルズ時代から書き溜めていた自身の作品を本アルバムで一気に吐き出しました。そして、イギリスとアメリカでチャート1位となり、ジョージは「ビートルズ解散で一番得をした」とまで評されます。ジョージの代表作であり、ロック史上に残る大作です。

それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面・C面・D面・E面・F面で紹介します。)

A-1 アイド・ハヴ・ユー・エニータイム

アルバムはジョージとボブ・ディランの共作曲からスタートします。1968年10月にジョージがディランの自宅を訪問した際に作られたフォーク調の曲です。イントロとリードギターはエリック・クラプトンが弾いています。

A-2 マイ・スウィート・ロード

イギリスで6週、アメリカで4週、チャート1位を獲得した大ヒット曲です。ビートルズのメンバーがソロシングルで1位を最初に獲得した曲です。宗教的な歌で、コーラス部分に出てくる「ハレ・クリシュナ」はヒンズー教の最高神です。

1991年12月にジョージはエリック・クラプトンといっしょに日本ツアーを行ない、本曲を演奏しました。その模様はライヴアルバム『ライヴ・イン・ジャパン』に収録されています。また、1971年のライヴアルバム『バングラデシュ・コンサート』にも収録されています。

A-3 ワー・ワー

本曲もライヴアルバム『バングラデシュ・コンサート』に収録されています。
映画『レット・イット・ビー』の『アイヴ・ガッタ・フィーリング』の練習シーン、ポール・マッカートニーがジョージにギターの弾き方を指図する場面では、二人の間の険悪な雰囲気が画面から伝わってきますが、この後、ジョージは怒って家に帰って本曲を作っています。「僕が泣いているのを君は知らない。僕のため息も君には聞こえない」とポールに向けて歌った曲です。
ロック調のライヴ向けの曲で、ジョージの一周忌である2002年11月29日に行なわれた追悼コンサートでも演奏された1曲です。

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A-4 イズント・イット・ア・ピティー(ヴァージョン1)

ジョージが妻のパティに対して作った名曲です。同じメロディーが繰り返されますが、共同プロデューサーのフィル・スペクターが何度も楽器を重ね、完璧な仕上がりになっています。
ジョージがエリック・クラプトンといっしょに回った日本ツアーでは、アンコール前のラスト曲として演奏されました。
そして、ジョージの一周忌である2002年11月29日に行なわれた追悼コンサートでは、エリック・クラプトンが1フレーズだけ歌い、その後をビリー・プレストンが引き継いで歌いました。

B-1 美しき人生

原題は『What is Life』。ギターのメロディーにインパクトがある明るい曲で、本アルバムからのセカンドシングルでもあります。

本曲はオリビア・ニュートン・ジョンによるカバーもヒットしています。
1991年12月の日本ツアーで演奏された1曲です。

B-2 イフ・ノット・フォー・ユー

ボブ・ディランがアルバム『新しい夜明け』A面1曲目で発表した名曲のカバーです。ジョージは軽快なサウンドにアレンジしており、エリック・クラプトンがドブロギターを弾いています。

B-3 ビハインド・ザット・ロックト・ドア

ジョージらしい、やさしいメロディーの曲です。カントリータッチの曲調で、ボブ・ディランに捧げたメッセージソングです。

B-4 レット・イット・ダウン

インパクトがあるイントロで始まるロックンロールです。ビートルズの『レット・イット・ビー』のセッションでレコーディングされていましたが、ビートルズ名義ではリリースされませんでした。本アルバムでフィル・スペクターによる音のマジックでよみがえりました。

B-5 ラン・オブ・ザ・ミル

ミディアムテンポでジョージらしい美しいメロディーの私が大好きな曲です。ジョン、ジョージ、リンゴの3人対ポール1人という構図となったビートルズ崩壊と、ポールに向けたメッセージがテーマになっている曲です。

C-1 ビウェア・オブ・ダークネス

LPレコードでは、ここから2枚目になります。本曲は名曲揃いの本アルバムの中でも人気の高い、カッコイイ曲です。
ジョージの一周忌である2002年11月29日に行なわれた追悼コンサートでは、本曲をエリック・クラプトンが魂のこもった歌声で聴かせてくれました。
また、本曲はレオン・ラッセルがカバーしており、『バングラデシュ・コンサート』でも途中から歌っています。

C-2 アップル・スクラッフス

アップル・スクラッフスとは、ビートルズのメンバーに会うためにアップルレコードのオフィス前に年中集まっていた女性ファンのことです。周囲から快く思われていなかった彼女達ですが、ジョージはそんな彼女達に向けて愛情を込めて本曲を作りました。ハーモニカの音色が印象的な、活気のある曲です。

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C-3 サー・フランキー・クリスプのバラード

原題は『Ballad of Sir Frankie Crisp (Let It Roll)』。サー・フランキー・クリスプはジョージの大邸宅のかつての所有者で、そのお城のような石造りの家をデザインした建築家です。この曲も美しいメロディーで、フィル・スペクターは歌詞を変えれば大ヒットするとアドバイスしましたが、ジョージは全く気に留めませんでした。

C-4 アウェイティング・オン・ユー・オール

軽快なテンポの歯切れの良いロックロールですが、対照的に宗教色が強い歌詞になっています。
ライヴアルバム『バングラデシュ・コンサート』にも収録されています。

C-5 オール・シングス・マスト・パス

アルバムタイトルナンバーの、ジョージの名曲中の名曲です。ビートルズ時代に書かれた曲で、『レット・イット・ビー』のセッションで演奏されていました。ジョージは自身の26歳の誕生日である1969年2月25日に本曲のデモ版を完成させ、それは1996年発売の『ビートルズ・アンソロジー3』に収録されています。
ジョージのビートルズ解散に対する考えを示した作品とされており、「すべては過ぎ去っていく」と歌っています。
ジョージの一周忌である2002年11月29日に行なわれた追悼コンサートで本曲を歌ったのはポール・マッカートニーでした。ビートルズ解散前後の関係は最悪だったジョージとポールですが、70年代の中頃には仲直りしています。最近のポールのコンサートではジョージの名曲『サムシング』が必ず歌われ、二人の仲の良いツーショット写真がバックにたくさん映されます。

D-1 アイ・ディッグ・ラヴ

ピアノの短いフレーズの繰り返しで始まる、変わった印象を受けるファンキーな曲です。ピアノに続くリンゴ・スターのドラミングがとてもカッコイイです。

D-2 アート・オブ・ダイイング

ジョージがビートルズ時代の1966年に書いた曲で、長くあたためられていた曲です。強烈なロックナンバーで、エリック・クラプトンがギターを弾いています。

D-3 イズント・イット・ア・ピティー(ヴァージョン2)

レコード1枚目のA面最後の曲のリプライズです。アレンジを何度も変更した本曲ですが、ジョージは2つのヴァージョンのどちらもファンに聴いて欲しかったのでしょう。本曲でもエリック・クラプトンがギターを弾いています。

D-4 ヒア・ミー・ロード

重厚なアレンジの、神に向けて歌われた曲です。ビートルズ時代に書かれていた曲で、『レット・イット・ビー』のセッションで演奏されていました。

E-1 アウト・オブ・ザ・ブルー

レコード3枚目は「アップルジャム」と呼ばれるジャムセッションで、おまけの1枚です。
本曲はエリック・クラプトンが結成したデレク&ザ・ドミノスが参加したセッションになっています。

E-2 ジョニーの誕生日

原題は『It’s Johnny’s Birthday (Based upon “Congratulations” by Martin & Coulter)』。クリフ・リチャードのヒット曲『Congratulations』の替え歌で、ジョージは30歳の誕生日を迎えたジョン・レノンに贈りました。

E-3 プラグ・ミー・イン

ジョージ、エリック・クラプトン、デイヴ・メイソンがギターバトルを繰り広げています。

F-1 アイ・リメンバー・ジープ

エリック・クラプトンを中心に、ビリー・プレストン(ピアノ)や旧友クラウス・ブーアマン(ベース)が参加したセッションです。ジョージはモーグ・シンセサイザーを担当しています。

F-2 サンクス・フォー・ザ・ペッパロニ

『プラグ・ミー・イン』同様、ジョージ、エリック・クラプトン、デイヴ・メイソンのギターを堪能できます。

ジョージ・ハリスン『オール・シングス・マスト・パス』はおすすめアルバムです。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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