ジョン・レノン『ジョンの魂』すべてをさらけ出した私小説アルバム

1970年12月11日に発売されたジョン・レノンのアルバム『ジョンの魂』を紹介します。ビートルズ解散直後のアルバムで、原題は『John Lennon/Plastic Ono Band』です。
オノ・ヨーコ名義の『Yoko Ono/Plastic Ono Band』というアルバムもあり、ジャケットは『ジョンの魂』とほぼ同じです。裏ジャケットはそれぞれの幼少期の写真になっています。

スーパースターであるジョンが持つ苦悩や感情をさらけだした作品で、私小説のようです。このような作品が発表されること自体がロック史上初で、音楽評論家から高い評価を得ている作品です。
サウンドは非常にシンプルで、ジョンとヨーコ以外にアルバムを通して参加したのは、リンゴ・スター(ドラムス)とクラウス・ブーアマン(ベース)だけです。

ジョン自身も「渋いアルバム」と振り返っているアルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 マザー(母)

不気味な鐘の音の後、「母さん、僕はあなたが欲しかったのに、あなたは僕を欲しがらなかった」というジョンの衝撃の告白でアルバムは始まります。幼少期の心の記憶をよみがえらせたジョンの悲痛な叫びで、最後は「母さん行かないで、父さん戻ってきて」と繰り返されます。あまりに狂気じみているとの理由でアメリカでは放送禁止になっています。ライヴアルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』にも収録されています。

A-2 しっかりジョン

原題は『Hold on』。「しっかりジョン」「しっかりヨーコ」と歌われる、とても温かみを感じるメロディーの曲です。続けて「しっかりしろ世界」と歌われ、二人のテーマである「愛と平和」に発展しています。

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A-3 悟り

原題は『I Found Out』。ラフでヘビーなドスの効いたサウンドの曲です。「空からキリストがやってくることなんてありゃしない」「ハレ・クリシュナなんか役に立つもんか」「僕は麻薬患者たちを見てきたし喫ってもきた。キリストからポールにいたる宗教も見てきた」と言いたい放題で、ポール・マッカートニーとジョージ・ハリスンを攻撃しています。

A-4 労働階級の英雄

原題は『Working Class Hero』。ジョンのアコースティックギターでの弾き語り作品です。「宗教とセックスとテレビに酔わされて誰もが平等と信じ込まされていた」と歌われる、ジョンの社会風刺と反骨精神が表現されたメッセージソングです。

A-5 孤独

原題は『Isolation』。周囲から奇人変人扱いされていたレノン夫妻。その孤独感と怖さを隠すことなく歌っています。静かなピアノの旋律に乗せて歌い出し、サビでは大熱唱となります。

B-1 思い出すんだ

原題は『Remember』。本アルバムで私が一番好きな曲です。平坦なメロディーのピアノの旋律に乗せて、ジョンは過去との決別を歌い上げています。そして最後に爆発します。

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B-2 ラヴ(愛)

前曲の爆発音に続けて、ゆっくりと美しいピアノのメロディーがフェードインしてきます。ジョンのバラードの名曲で、ピアノ演奏はフィル・スペクターです。とてもシンプルな歌詞をジョンは穏やかに歌っています。

B-3 ウェル・ウェル・ウェル

激しいロックンロールの演奏に乗せて、3つの異なるテーマの歌詞が歌われ、最後はジョンの荒々しい絶叫となります。ライヴアルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』にも収録されています。

B-4 ぼくを見て

原題は『Look at Me』。アコースティックギターの弾き語りによる、素朴で優しく美しい作品です。ビートルズ時代の『ホワイトアルバム』の頃に作っていた作品で、『ジュリア』に似た曲調です。

B-5 ゴッド(神)

「神なんて我々の苦悩の度合いを測る観念でしかない」という歌い出しで始まる、本アルバムのハイライト曲です。ピアノの演奏はビリー・プレストンで穏やかな演奏ですが、「僕は信じない、魔術を、聖書を、イエスを、ケネディを、釈迦を、エルヴィスを、ボブ・ディランを、ビートルズを」と続いた歌詞は大反響となりました。そして最後に「信じられるのはヨーコと自分だけ」「夢は終わった」「僕はウォルラスだったけど、今はジョンなんだ」とビートルズへの別れを宣言します。ジョン・レノンを語るうえで外せない1曲です。

B-6 母の死

原題は『My Mummy’s Dead』。わずか50秒の小作品ですが、歌われている内容は悲痛なものです。ジョンは18歳の時に母親を交通事故で亡くしており、そのショックは相当なもので、ポールですら、その一件には触れることができなかったと言われています。意図的に音質の低いカセットテープレコーダーで録音されており、それが悲痛さの表現を増しています。

ジョン・レノン『ジョンの魂』はおすすめアルバムです。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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