ジョン・レノン『イマジン』自宅スタジオで制作したイギリス最後のアルバム

1971年に発売されたジョン・レノンのアルバム『イマジン』を紹介します。原題は、John LennonImagine』。

ジョン・レノン、オノ・ヨーコ夫妻はイギリスのアスコットに大邸宅を購入し、その自宅にレコーディング・スタジオを作ります。ジョンは「このスタジオこそ、僕の今までの人生の中で、ずっとずっと一番欲しかったものなんだ」と話しました。ジョンはこの自宅スタジオを「アスコット・サウンド・スタジオ」と呼びました。
本アルバムはこの自宅スタジオにジョージ・ハリスンやクラウス・ブーアマンなどの気心の知れたミュージシャンを集め、9日間という短期間で制作したアルバムです。このレコーディング時のスタジオ風景は1988年公開の映画『イマジン』で見ることができます。

ところがジョンは、せっかく作ったレコーディング・スタジオも大邸宅も捨て、1971年9月3日、ヨーコとアメリカに渡ります。以降、ジョンはイギリスに戻ることはありませんでした。本アルバムはジョンがイギリスでレコーディングした最後のアルバムです。

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それではアルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 イマジン

アルバムタイトル曲であり、言わずと知れたジョン・レノンの代表曲です。世界各国でチャート1位を獲得した大ヒット曲で、非常に美しいメロディーの曲です。ジョンは曲が出来上がったとき「やっと(ポールの)イエスタデイみたいないい曲ができた」と喜んだそうです。「天国や国や財産なんて無いと思ってごらん」とシンプルな言葉ながら説得力のあるジョンのメッセージは全世界に大きな影響を与えました。ライヴアルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』にも収録されています。

「Imagine(想像しなさい)」と呼びかけで始まる歌詞について、ジョンはヨーコの詩集『グレープフルーツ』から拝借したと語っていました。発表当時は作詞者にヨーコの名はありませんでしたが、2017年6月に本作はヨーコとの共作と認定されています。

A-2 クリップルド・インサイド

懐かしさを感じる軽快なテンポの曲です。ジョージ・ハリスンのドブロ・ギターがいい味を出しています。歌詞は人間のエゴを皮肉ったもので、当時不仲だったポール・マッカートニーへの批判とする解釈もあります。

A-3 ジェラス・ガイ

ジョン・レノンが作った名曲中の名曲です。本当に美しいメロディーで、ジョンのバラード曲特有の頼りなさ、ぎこちなさ、せつなさが最高です。哀愁漂うジョンの口笛も曲想にマッチしています。自分の嫉妬深さ、カッコ悪さを包み隠さず歌ってるジョンは本当に素敵です。

本曲はビートルズ時代に『チャイルド・オブ・ネイチャー』というタイトルでレコーディングされていました。ホワイトアルバムやゲットバックセッションで演奏されましたが、最終的にビートルズとしてのレコード化はされませんでした。ジョンは歌詞とタイトルを変えて本アルバムに収録しました。

A-4 イッツ・ソー・ハード

とにかくしんどいこっちゃという歌です(笑)。サックスの音色が印象的な、ワイルドなブギーナンバーです。ライヴアルバム『ライヴ・イン・ニューヨーク・シティ』にも収録されています。

A-5 兵隊にはなりたくない

原題は『I Don’t Want to Be A Soldier』。直接的に反戦を歌ったヘビーな曲で、前曲同様にサックスの音色が印象的な、迫力のある曲です。単純な構造の曲ですが、強い力で曲の中に引き込まれてしまいます。このジョン特有の強引さはビートルズのアルバム『アビイロード』で同じくA面最後の曲であった『アイ・ウォント・ユー』を想起させます。

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B-1 真実が欲しい

原題は『Give Me Some Truth』。ジョージ・ハリスンのギターがとても気持ち良く鳴り響く、私の大好きな曲です。切羽詰まったようなスピード感のある曲で、聴いていて本当に気持ちが良くなる曲です。ジョンは本曲に関連して「いつしか僕の周りには流暢な嘘ばかりつく人間が増えていた。僕がビートルズのジョンだからかい?」と発言しています。
タイトルは最近は『Gimme Some Truth』と略語で表記されることが多くなりました。

B-2 オー・マイ・ラヴ

前作『ジョンの魂』の『ラヴ(愛)』の続編ともいうべき、透明感のある美しいバラード曲です。歌詞はヨーコが手伝っており、ジョンとヨーコの共作曲としてクレジットされています。「あなたと初めて出会ったときから僕の目は見えるようになった。世界中のすべてのものが生まれ変わったように見える」という歌詞はヨーコと出会ったジョンの本心でしょう。

B-3 ハウ・ドゥ・ユー・スリープ(眠れるかい?)

当時不仲だったポール・マッカートニーを痛烈に批判した曲で、演奏にはジョージ・ハリスンも参加しています。イントロはサージェントペパーズ風のサウンドエフェクトで「『サージェントペパーズ』はお前にとって驚きだったろうよ」と始まります。「お前の傑作なんざ『イエスタデイ』だけだ。それも消えちまった今となっては『アナザー・デイ』ってわけよ」と止まりません。タイトルの『ハウ・ドゥ・ユー・スリープ(眠れるかい?)』はビートルズ内で使われていたポールをネタにしたジョークで、ポールの目が大き過ぎるので夜ベッドに入っても目がつぶれないというものです。イギリスのテレビ番組に出演した際、ポールは番組MCから「寝るときも目を閉じないって本当なの?」と質問されています(笑)。
ジョンはポールのアルバム『ラム』のジャケット写真を真似した、羊をブタに変えたパロディーのポストカードをアルバムに同封する徹底した攻撃ぶりでした。

B-4 ハウ?

私が大好きな、ゆったりとしたバラードです。控えめに歌い上げるジョンのレコーディングの姿を映画『イマジン』で見ることができます。共同プロデューサーであるフィル・スペクターのセンスを感じる曲です。

B-5 オー・ヨーコ

タイトルが示すとおり、愛するヨーコに捧げたラヴソングです。妻への愛を名前を挙げてここまでストレートに歌ったのはジョンが最初でしょう。それは照れくさいところもあったでしょうが、男として本当にカッコイイことだと思います。軽快な曲で、ビートルズ以来のジョンのハーモニカでアルバムが締めくくられます。

ジョン・レノン『イマジン』はおすすめアルバムです。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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