リンゴ・スター『バッド・ボーイ』コミカルでお洒落なアルバム

1978年に発売された元ビートルズ、リンゴ・スターのソロアルバム『バッド・ボーイ』を紹介します。原題は、Ringo StarrBad Boy』。

ヴィニ・ポンシアをプロデューサーに招いて制作したアルバムです。ヴィニ・ポンシアとリンゴは曲作りの名コンビで、リンゴの過去のアルバムでも多くの曲を共作してきました。

『リンゴ』
 オー・マイ・マイ
 デヴィル・ウーマン

『グッドナイト・ウィーン』
 ウー・ウィー
 オール・バイ・マイセルフ

『リンゴズ・ロートグラビア』
 クライン
 レディ・ゲイ

『ウィングズ~リンゴIV』
 ウィングズ
 ゲイブ・イット・オール・アップ
 アウト・オン・ザ・ストリーツ
 イッツ・ノー・シークレット
 ジプシーズ・イン・フライト
 シンプル・ラヴ・ソング

前作『ウィングズ~リンゴIV』では10曲中6曲がリンゴとヴィニ・ポンシアの共作曲でした。ビートルズのレノン=マッカートニーのようですね。

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本アルバムが志向しているのはAORで、大人向けのお洒落なアルバムになっていますが、リンゴらしいコミカルな曲もあります。アルバムの解説には、クレジットされていないが契約の関係で名前を出せない大物が参加していると記載されていました。それはドクター・ジョンで、第1期リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドにも参加しています。

それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 フー・ニーズ・ア・ハート

リンゴとヴィニ・ポンシアの共作曲です。軽快なポップスでアルバムがスタートします。シングルヒットしそうな佳作で、リンゴのヴォーカルも軽やかです。

A-2 バッド・ボーイ

アルバムタイトル曲は「バーッドボイヨイヨイヨイヨイヨイヨイヨイ…」と歌われる、コミカルなおもしろい曲です。リル・アームストロングとエーヴォン・ロングの共作で、オリジナルは1957年のジャイヴ・ボンバーズのヒット曲です。

A-3 口紅のあと

原題は『Lipstick Traces』。本アルバムからの先行シングル曲でした。作者はナオミ・ネヴィルで、1962年にベニー・スペルマン、1965年にオージェイズがヒットさせています。アレンジと女性コーラスがゴージャスな仕上がりになっています。

A-4 ハート・オン・マイ・スリーヴ

スコットランド出身のデュオグループ、ギャラガー&ライル(べニー・ギャラガー、グラハム・ライル)の作品です。彼らは1970年に結成されたロックバンド、マクギネス・フリントのオリジナルメンバーで、さらにその前はアップルレコードのスタッフライターでした。心が温まるようなメロディーの、私の大好きな曲です。リンゴのヴォーカルも優しく、心が穏やかになる曲です。シングル『素敵なトゥナイト』のB面曲でもありました。

A-5 愛はどこへ行ったの

原題は『Where Did Our Love Go』。1964年にアメリカの黒人女性ヴォーカルグループのシュープリームス(最近の表記はスプリームス)が大ヒットさせた曲です。シュープリームスのオリジナルメンバーの1人はダイアナ・ロスです。作者はモータウンの専属ソングライターチームであったエディ・ホーランド・ジュニア、ブライアン・ホーランド、ラモント・ドジャーの3人でした。ノリのよい有名曲を女性コーラスを従えてリンゴは楽し気に歌っています。そして、リンゴのヘタウマ感が妙にマッチしています(笑)。

リンゴとシュープリームスの組み合わせは意外な感じも受けますが、初期のビートルズを振り返ると黒人女性ヴォーカルグループの楽曲を好んでカバーしていました。
 チェインズ(クッキーズ)
 ボーイズ(シュレルズ)
 ベイビー・イッツ・ユー(シュレルズ)
 プリーズ・ミスター・ポストマン(マーヴェレッツ)
 デヴィル・イン・ハー・ハート(ザ・ドネイズ)

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B-1 ハード・タイムス

1970年代に活躍したイギリスのシンガーソングライター、ピーター・スケラーンが作った曲です。ファンキータッチのロックナンバーで、本アルバムでは一番ロックしている曲です。

B-2 素敵なトゥナイト

原題は『Tonight』。リンゴが女性コーラスやストリングスをバックに歌うお洒落なバラード曲です。シングルカットもされました。オリジナルは1977年にスモール・フェイセスがリリースしたアルバム『プレイメイツ』に収録されていた曲で、イアン・マグレガンとジョン・ピジョンの共作です。イアン・マグレガンはスモール・フェイセスとフェイセズの元メンバー、キーボードプレーヤーでした。

B-3 モンキー・シー・モンキー・ドゥ

オリジナルはマイケル・フランクスで、1975年にリリースしたアルバム『アート・オブ・ティー』に収録されていました。マイケル・フランクスはAOR界を代表するアーティストの1人です。オリジナルはムーディーな雰囲気ですが、リンゴはロック色の濃いアレンジに仕上げています。

B-4 オールド・タイム・リラヴィン

リンゴとヴィニ・ポンシアの共作曲で、シングル『口紅のあと』のB面曲でもあります。本アルバムはどの曲もお洒落な感じに統一されていますが、本曲もキーボードの音色が印象的な大人向けのお洒落な楽曲に仕上がっています。

B-5 マン・ライク・ミー

原題は『A Man Like Me』。元スリム・チャンスのメンバー、ルアン・オロクレインが作ったカントリータッチのバラード曲です。アルバム最後の曲をストリングスをバックに歌うリンゴはビートルズ『ホワイトアルバム』の『グッド・ナイト』を彷彿とさせます。雄大なイメージのバラードでアルバムが締めくくられます。

リンゴ・スター『バッド・ボーイ』はおすすめアルバムです。現在は入手困難ですが、輸入レコード店などで探せると思います。聴いたことが無い方は、ぜひ聴いてみてください!

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