チューリップ『2222年ピクニック』はオフコース『over』を意識した?

1982年6月21日に発売されたチューリップのアルバム『2222年ピクニック』を紹介します。

第二期チューリップによるレコーディングで、メンバーは以下です。

 財津和夫(ヴォーカル、ギター、キーボード)
 姫野達也(ヴォーカル、ギター、キーボード)
 安部俊幸(リードギター)
 宮城伸一郎(ベース、ヴォーカル)
 伊藤薫(ドラムス、ヴォーカル)

地球の未来や宇宙をテーマに、チューリップらしいコーラスやシンセサイザーの音色が散りばめられたアルバムです。歌詞カードには『平和な国の反戦歌』という題の財津和夫の詩が掲載されていました。アルバムジャケットは2222年の地球でしょう。

それでは第二期チューリップを代表する本アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 美しい星

財津和夫が作曲したインストルメンタルです。
当時、ニューミュージック界の頂点に立っていたオフコースが約半年前にリリースしたアルバム『over』も1曲目はインストルメンタルでした。オフコースのライバル的な立場であったチューリップはそれを意識して真似したのかもしれません。

A-2 2222年ピクニック

作詞・作曲:財津和夫で、リードヴォーカルも財津和夫のアルバムタイトル曲です。
「地球にその昔 落ちたという 愛のオリジナル」という歌詞は、聖書のアダムとイブの話を想起させます。
「空に浮かぶ巨大なオレンジ色が」はUFOでしょうね。

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A-3 星をちりばめて

作詞・作曲:財津和夫で、リードヴォーカルも財津和夫です。
財津さんのちょっとやらしい曲です。
「着ているものを脱がせてゆけば だんだん君が白くなってゆく」
「裸の君 この僕の唇で ひとつひとつ 光る星 ちりばめよう」

A-4 心の中は白い画用紙

作詞:財津和夫、作曲:姫野達也で、リードヴォーカルは姫野達也です。
姫野さんらしい甘いヴォーカルとメロディーで、私の大好きな曲です。安部さんの死去で4人のチューリップになってしまった2016年~2017年の45周年記念コンサートツアーでも歌われていました。

A-5 星のコラージュ

作詞:伊藤薫、作曲:安部俊幸で、リードヴォーカルは伊藤薫です。
歌詞、メロディー、そして伊藤薫の繊細な優しい歌声に、ファンタジーという言葉がピッタリの曲です。第二期チューリップのコンサートではドラムを叩きながら歌っていました。

A-6 君の季節

作詞・作曲:財津和夫で、リードヴォーカルも財津和夫です。
イントロのガラスコップが割れるようなシンセサイザーの音が印象的です。財津さんらしい、おっとりとした曲で、コミカルな情景が浮かぶ男女の別れの歌です。いい大人の男のバンドの歌詞にアイスクリームやフルーツパーラーが出てくるのが面白いです。
「眼の前のアイスクリーム溶け始めたよ 別れ話にアイスクリームは似合わない」
「まわりの人に恥ずかしいフルーツパーラー 別れ話にフルーツパーラーは似合わない」

B-1 VOLUME・10(FULL)

作詞・作曲:宮城伸一郎で、リードヴォーカルも宮城伸一郎です。
VOLUME・10の10はFULLと読ませています。1997年に再結成して新録音したアルバム『We believe in Magic Vol.2』にも収録された宮城伸一郎の代表曲の1つです。

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B-2 ホロスコープ・ラヴ

作詞・作曲:安部俊幸で、リードヴォーカルは姫野達也です。
第一期チューリップでは自らヴォーカルを取ることもあった安部さんですが、第二期チューリップでは一切ヴォーカルを取らなくなりました。私は味のある歌声だと思うのですが。
2014年7月7日に居住地のインドで亡くなった安部さん、本当に残念でなりません。4人のチューリップのステージで、安部さんがヴォーカルを取った『夏に別れを』を4人全員(財津・姫野・上田・宮城)で歌ったシーンには涙です。

B-3 生まれる星

作詞・作曲:財津和夫で、リードヴォーカルも財津和夫です。
恋人同士の二人が宇宙船No.909に乗り、生まれた星である地球を離れ、これから生まれる星に愛を運ぶといった歌詞です。何故、No.909なのか非常に気になりますが、財津さんが大好きなビートルズの楽曲『One After 909』から単純に拾ったのでしょう。『銀河鉄道999』に似た数字ですが、こちらとは関係無いように思います。

B-4 アルバトロス

作詞・作曲:財津和夫で、リードヴォーカルも財津和夫です。
財津さんの雄大なバラード曲です。宇宙をテーマにした本アルバムの最後、宇宙人に向けて歌います。
「ぼくも唄うよ 明るい声で ひびけ宇宙の 君の棲む彼方へ」

チューリップ『2222年ピクニック』はおすすめアルバムです。ぜひ聴いてみてください!

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チューリップ『すべて君たちのせいさ!』ビートルズのカバーアルバム

1976年6月5日に発売されたチューリップのアルバム『ALL BECAUSE OF YOU GUYS(すべて君たちのせいさ!)』を紹介します。


チューリップが敬愛するビートルズをカバーしたアルバムです。ジャケットは漫画雑誌風のお笑い路線でした。「夢と希望あふれる感動のレコード『青年チューリップ』’76初夏号」と思いっきり遊んでいます。

『心の旅』が大ヒットしたのが1973年なので、その3年後のアルバムになります。以下の第一期メンバーでの録音です。

 財津和夫(ヴォーカル、ギター、キーボード)
 姫野達也(ヴォーカル、ギター、キーボード)
 安部俊幸(ギター)
 吉田彰 (ベース)
 上田雅利(ドラムス)

通常は姫野達也のヴォーカル曲もあるのですが、本アルバムは全て財津和夫がリードヴォーカルをとっています。

演奏はビートルズを忠実にコピーしており、ビートルズへのリスペクトを感じます。その一方でチューリップらしさを感じるアルバムで、単なる模倣ではなく、しっかりチューリップの音楽として成立しています。

楽曲の選曲は財津さんの趣味でしょう。プロローグとエピローグを除く全13曲中、ポール・マッカートニーの作品が10曲、ジョン・レノンとポール・マッカートニーの共作が2曲、ジョージ・ハリスンの作品が1曲、リンゴ・スターの作品は0曲です。ビートルズはジョン・レノンとポール・マッカートニーの楽曲が同じくらいありますが、本アルバムではジョン・レノンの単独作品を取り上げていません。財津さんのポール好きは有名ですが、ここまで徹底するかという感じで、ずっと思っていました。

しかし最近、ジョン・レノンの作品を取り上げなかった理由について、次の財津さんの発言を目にして、本当の理由がわかりました。
「ジョンの曲は代わりに歌うのが難しい。聴く人の魂が許してくれないのではないかと思った」

ビートルズファンのバッシングが怖かったのですね。

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それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 オール・ビコーズ・オブ・ユー・ガイズ -プロローグ-

アルバムの最初と最後はアルバムタイトルの『ALL BECAUSE OF YOU GUYS』というオリジナル曲です。曲調がビートルズの『BECAUSE』に似ています。

A-2 ウイ・キャン・ワーク・イット・アウト

ビートルズが1965年12月に発売したシングルで、邦題は『恋を抱きしめよう』です。ポール・マッカートニーはコンサートで本曲をよく取り上げています。
チューリップは原曲よりもテンポアップさせていますが、忠実にコピーしています。財津さんのヴォーカルが、ビートルズをチューリップの音楽に塗り替えています。

A-3 ユア・マザー・シュッド・ノウ

ビートルズが1967年に制作したテレビ用映画『マジカル・ミステリー・ツアー』で使用された曲です。映画ではラストでこの曲に合わせて4人が白い服で踊るのが印象的でした。
ビートルズのステレオ盤は最初は左側にヴォーカルを集中させ、間奏後に今度は右側にヴォーカルを集中させますが、チューリップはそこまで合わせて完璧にコピーしています。

A-4 アイ・ニード・ユー

ビートルズの1965年の映画『ヘルプ! 4人はアイドル』で演奏されたジョージ・ハリスンの作品で、本アルバムに選曲された中で唯一のポール・マッカートニー以外の作品です。
チューリップ版では冒頭でエレキシタールの音色が響き、映画で使用されたシタールの音色を思い出させるとともに、シタールそしてインド音楽に傾倒していったジョージ・ハリスンのイメージを一瞬の音色で印象付けさせています。

A-5 アナザー・ガール

ビートルズの1965年の映画『ヘルプ! 4人はアイドル』で演奏されたポール・マッカートニーの作品です。アルバム『4人はアイドル』でも前曲『アイ・ニード・ユー』が4曲目、本曲『アナザー・ガール』が5曲目で、曲の順番が同じになっています。
チューリップは20秒程度、ジングルのように演奏しています。

ちなみにポールは2015年4月28日の日本武道館コンサートで、本曲を世界で初めてライブ演奏しました。ポールは1966年のビートルズ来日公演以来49年ぶりの日本武道館のステージで、世界が注目した歴史的なイベントでした。

A-6 ヒア・ゼア・アンド・エヴリホエア

ビートルズの1966年のアルバム『リボルバー』に収録されていたポール・マッカートニーの優しい曲です。ポールがコンサートで歌うことが多い曲です。
本アルバムでは財津さんも優しい声で歌っています。

A-7 ザ・ナイト・ビフォア

ビートルズの1965年の映画『ヘルプ! 4人はアイドル』で演奏されたポール・マッカートニーの作品です。
アルバム『4人はアイドル』から3曲目の選曲で、財津さんのお気に入りのアルバムなのでしょう。間奏のギターはオリジナルよりもロックしています。

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B-1 ブラック・バード

ビートルズの1968年のアルバム『ザ・ビートルズ』(通称:ホワイトアルバム)に収録されていたポール・マッカートニーの作品です。ポールのコンサートではよく歌われている曲です。
ポールはアコースティックギター1本で歌いますが、チューリップはオリジナルのイメージをそのままにしながらも、バンドの音を重ねて自分らの音楽にしています。

B-2 ウェイト

ビートルズの1965年のアルバム『ラバーソウル』に収録されていた曲で、ジョン・レノンとポール・マッカートニーのツインヴォーカルがカッコいい曲でした。
チューリップ版の財津さんの歌声はジョン・レノンっぽいです。

B-3 フォー・ノー・ワン

ビートルズの1966年のアルバム『リボルバー』に収録されていたポール・マッカートニーの作品で、突然始まり、突然終わるような印象の曲です。
チューリップは間奏のホルンの音色まで完全にコピーしています。

B-4 レディ・マドンナ

ビートルズが1968年3月に発売したシングルで、ポール・マッカートニーの作品です。
チューリップはA面の『アナザー・ガール』同様に、1フレーズだけのジングルのように演奏しています。

1976年にチューリップのメンバー3人(財津和夫、姫野達也、安部俊幸)は、ロンドンのアビイロードスタジオでポール・マッカートニーに会っており、いっしょに『レディ・マドンナ』を演奏しています。このとき、ポールはビートルズでのレコーディング以来の『レディ・マドンナ』の演奏で、ピアノのフレーズを忘れかけていました。その後、ポールはコンサートツアーで『レディ・マドンナ』を演奏するようになったので、チューリップがポールの『レディ・マドンナ』を復活させたとの見方があります。

B-5 マーサ・マイ・ディア

ビートルズの1968年のアルバム『ザ・ビートルズ』(通称:ホワイトアルバム)に収録されていたポール・マッカートニーの作品です。
チューリップはシンセサイザーを使って、バロックスタイルの作品をうまくコピーしています。

B-6 トゥ・オブ・アス

1970年にビートルズが最後にリリースしたアルバム『レットイットビー』に収録されていた曲で、ジョン・レノンとポール・マッカートニーのツインヴォーカルのアコースティックサウンドでした。
チューリップはオリジナルよりもビートを効かせた演奏をしています。

B-7 ヘイ・ジュード

ビートルズが1968年8月に発売したシングルで、ポール・マッカートニーの作品です。ビートルズそしてポール・マッカートニーの代表曲の1つで、ポールのコンサートでは必ず歌われる曲です。
チューリップの演奏は前半は真面目ですが、後半のコーラス部分で「なんだよ、おまえ」が連呼され、アルバムジャケットに通じるバカバカしさが爆発します。

B-8 オール・ビコーズ・オブ・ユー・ガイズ -エピローグ-

アルバムの最後にトップの曲がリプライズされます。
「The music we play is all because of you」とビートルズ4人への感謝のメッセージを歌ってアルバムが終わります。

本アルバムの選曲から、チューリップが影響を受けたのは、特にビートルズ中期以降(1965年以降)であることがわかります。
チューリップ『ALL BECAUSE OF YOU GUYS(すべて君たちのせいさ!)』はおすすめアルバムです。ぜひ聴いてみてください!

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きゃりーぱみゅぱみゅデビューアルバム『もしもし原宿』PONPONPONの衝撃

2011年8月に発売された、きゃりーぱみゅぱみゅのデビューアルバム『もしもし原宿』を紹介します。中田ヤスタカがプロデュースした全6曲のミニアルバムです。


中田ヤスタカのテクノポップに、きゃりーの可愛らしい歌声がマッチし、絶妙のサウンドが出来上がりました。アルバムタイトルに使用された「もしもし」は外国人が知っている日本語として選んでおり、はじめから海外を意識していました。それでは楽曲を紹介します。

1.  きゃりーのマーチ

K.Y.A.R.Y. P.A.M.Y.U.が繰り返される、かわいらしい曲です。1分程の短い曲で“きゃりーのテーマソング”です。以降のきゃりーのアルバムでも1曲目は同様のテーマソング的な小作品からスタートしており、これらはコンサートのオープニング曲にもなっています。

2.  チェリーボンボン

美しいメロディーの私の大好きな曲です。シングル曲ではありませんが、一番好きなきゃりーの曲として挙げる人が多い曲です。「幼い頃に感じたワクワク感を思い出す歌」として評されました。1stシングル『つけまつける』には、本曲のextended mixがカップリング曲として収録されています。

3.  PONPONPON

きゃりーぱみゅぱみゅの名前を世界に知らしめた衝撃の曲です。2018年1月現在、YouTubeのミュージックビデオ再生回数は1億2千万回を超えています。このメロディーは欧米人を興奮させるようで、世界中にいる多くの人にとって特別な曲になっています。本曲は2011年7月に日本を含む世界23カ国のiTunes Storeで先行配信され、フィンランドのエレクトロチャートで1位になる等、ヨーロッパで人気爆発となりました。iTunes Storeで本アルバムを購入すると本曲のextended mixもダウンロードされます。YouTube掲載ビデオの解像度が低かったのは残念でした。

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4.  ちょうどいいの

平坦なメロディーですが、聴けば聴くほど好きになる曲です。女子が好きな「ピンク色 やわらかい きらきら」といった言葉が並ぶ歌詞がおもしろいです。2ndシングル『CANDY CANDY』には、本曲のextended mixがカップリング曲として収録されています。

5.  ピンポンがなんない

シチューを煮込みながら彼の帰りを待つ女子の気持ちを歌っています。シチューとあたしの気持ちが冷める前に帰ってきてねという歌です。「ぴぽぴぽメールを打つけど ぜんぜん返信がないの」という歌詞が大好きです。

6.  jelly

2006年にCAPSULE(カプセル)が発売した曲のカバーです。CAPSULEはヴォーカルの こしじまとしこ と中田ヤスタカによる音楽ユニットです。本曲はアルバムで唯一の大人っぽい曲です。

きゃりーぱみゅぱみゅ『もしもし原宿』はおすすめアルバムです。ぜひ聴いてみてください!

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槇原敬之 音楽ベスト5!

みなさんは、槇原敬之さんの曲のなかでどれが好きですか?槇原さんの曲はどれも名曲で、心に残りやすいものばかりですが、そのなかでも私が個人的に好きな槇原さんの曲を5つ、ランキング形式で紹介します。

5位 北風~君にとどきますように~

この曲は、1992年10月25日に発売された6枚目のシングルです。槇原さんが高校2年のときに作った曲らしいです。全体的に寂しげな印象で素敵な感じです。

4位 冬がはじまるよ

この曲は、1991年11月10日に発売された4枚目のシングルです。クリスマスの定番ソングとして定着しています。なので、冬になると自然と聴きたくなる曲です。ミュージックビデオでは、槇原さんがいきいきとした表情で歌っているのが印象的です。

3位 We love you

この曲は、2008年7月23日に発売された39枚目のシングルです。この曲は2008年7~8月の間、「日立 世界・ふしぎ発見!」という番組のエンディングテーマとして使用されました。歌詞にある「もしもこの世界のすべてが言葉をはなせるなら君のことを大事に思ってると口を揃えてみんなが言うのだろう」というように、槇原さんのあたたかい感情が歌声とともに伝わってきます。

2位 NO.1

この曲は、1993年9月1日に発売された8枚目のシングルです。ミュージックビデオでは、槇原さんが非常にノリノリでパフォーマンスしながら歌っていて見る人を元気にしてくれます。タイトル通り、オリコンチャートで1位になりました。アップテンポの曲調なので、カラオケでも盛り上がると思います。

1位 僕が一番欲しかったもの

この曲は、2004年7月28日に発売された32枚目のシングルです。この曲は日本テレビ系ドラマ「ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏」の主題歌として起用されました。また、その後NTT東日本、株式会社システナのCMソングとして使用されています。曲調は静かな雰囲気です。ミュージックビデオでは、槇原さんが月面で寂しげに歌っています。歌詞にある「なによりも僕を見て嬉しそうに笑う顔が見れて嬉しかった」「今までで一番素敵なものを僕はとうとう拾うことができた」とあるように、世界平和を象徴するような曲でした。

以上でランキングの発表を終わります。

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オフコース『We are』は小田和正の最高傑作!

1980年11月発売のオフコースのアルバム『We are』を紹介します。
1979年12月に発売されたシングル『さよなら』が大ヒット、1980年6月発売の『Yes-No』もヒットし、オフコースは当時のニューミュージック界を代表する存在となります。その直後に発売されたこのアルバムはオフコースの代表作で、オフコース人気絶頂期の1枚です。サウンド的にはサポートメンバであった清水仁・松尾一彦・大間仁世(ジロー)の3人が前作の『Three and Two』から正式メンバとなり、ロックバンド志向の楽曲が増えています。

ところでオフコースは自分が書いた曲は自分で歌うビートルズスタイルで、前作までは小田和正・鈴木康博の2人が同じバランスでアルバムに曲を入れていました。しかし、このアルバムではそのバランスが崩れ、小田6曲・鈴木3曲と倍の差になっています。これはレコード会社のオフコースを売るための戦略で、小田和正をオフコースの顔にして、オフコース=小田和正をアピールしていこうというものでした。確かにこの戦略は功を奏してオフコースは日本を代表するバンドになりました。しかしアマチュア時代から小田のパートナーであり、10年以上活動を共にしてきた鈴木康博が1982年に脱退する原因になります。本アルバムに収録されている鈴木康博の『いくつもの星の下で』と『一億の夜を越えて』は彼の代表作となり、鈴木にとっては曲数は少ないが楽曲の素晴らしさで勝負したアルバムとなっています。一方で小田和正の曲もどれも素晴らしく、最高傑作と呼んでもよいと思います。

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それでは、アルバムを紹介していきましょう。(オリジナルがレコード盤なので、A面・B面で紹介します。)

A-1 時に愛は(小田和正)

ギターの音色とハーモニーが美しい曲でシングルでも発売されました。1981年のオフコースのツアーではオープニングで演奏されています。小田さんの2016年のツアーではオリジナルに近いアレンジで演奏していました。B’zのギタリスト松本孝弘(TAK MATSUMOTO)のアルバム『THE HIT PARADE』では宇徳敬子がこの曲をカバーしており秀逸な出来です。

A-2 僕等の時代(小田和正)

アコースティックギターのサウンドが軽やかです。ハーモニーも素晴らしい。シングル『時に愛は』のB面にもなり、A面・B面ともに小田和正の曲というのも小田をアピールしていこうという戦略に沿ったものでしょう。1981年のオフコースのツアーではアンコールで演奏され、このときは小田、鈴木に続き、ベースの清水仁もヴォーカルを取りました。

A-3 おまえもひとり(鈴木康博)

鈴木康博の作品ですが、清水仁が作詞を手伝っておりクレジットされています。間奏のギターが印象的な曲です。1981年のオフコースのツアーでは2曲目に演奏されています。

A-4 あなたより大切なこと(小田和正)

小田和正のアップテンポの曲です。ベースの音が気持ちが良いです。

A-5 いくつもの星の下で(鈴木康博)

鈴木康博の名曲です。当時の心境を正直に歌っています。鈴木のライブでは必ず歌われる曲です。セルフカバーアルバムでも歌い直しており、1996年発売の『BeSide』、2004年発売の『forWard』にも収録されています。ライブアルバム『Yasuhiro Suzuki Anniversary Live 1970-2008』ではアンコール前のラストで歌われています。

B-1 一億の夜を越えて(鈴木康博)

鈴木康博の代表曲で、ライブでは必ず歌われるロック調の曲です。作詞の安部光俊(あんべ光俊)は岩手県釜石市出身のシンガーソングライターで、それまでのオフコースとは違うインパクトのある歌詞が際立っている曲です。この曲もセルフカバーアルバム『BeSide』『forWard』、ライブアルバム『Yasuhiro Suzuki Anniversary Live 1970-2008』に収められています。

B-2 せつなくて(松尾一彦)

新メンバ3名のうち松尾一彦は作曲能力のあるメンバで、のちに鈴木が抜けた4人のオフコースの時代、小田のパートナーは松尾になりました。作詞:大間仁世・松尾一彦、作曲:松尾一彦の作品で、松尾の代表曲です。2010年に発売された松尾のミニアルバムにも収録されており、そこでは小田さんがピアノで参加しています。

B-3 Yes-No(小田和正)

大ヒットしたシングルですが、アルバムに入っているのはシングルとは別バージョンです。シングルのイントロに入っているホルン演奏がアルバムには入っておらず、シングルを知っている人はいきなり演奏が始まった印象を受けます。頭に染み付くメロディーで、私の大好きな曲です。1996年に発売された小田和正のセルフカバーアルバム『LOOKING BACK』では全く違うアレンジで聴かせており、2013年のツアーではこのLOOKING BACKバージョンで演奏されました。2016年のツアーではコンサート前半はオフコースの曲をまとめて演奏しており、本曲もオリジナルに近いアレンジで演奏していました。2009年に発売された荻野目洋子の『Songs & Voice』ではオリジナルに近いアレンジでカバーされており、こちらもせひ聴いてほしいです。

B-4 私の願い(小田和正)

小田さんがピアノを弾きながら歌うバラードです。この曲は1989年に鈴木雅之が小田のプロデュースでカバーしています。

B-5 きかせて(小田和正)

清水仁の低音のコーラスが聴きどころです。素晴らしいハーモニーでアルバムを締めくくっています。

オフコース『We are』はおすすめアルバムです。ぜひ聴いてみてください!

荻野目洋子『Songs & Voice』は50代60代におすすめ!

荻野目洋子の『Songs & Voice』を紹介します。荻野目洋子はダンシングヒーローのヒットで知られる歌手ですが、あれから数十年経っても変わらぬ張りのある歌声です。このアルバムは70年代~80年代前半の男性アーティストのカバーアルバムで、フォークソング・ニューミュージックの名曲ばかりとなっています。50代以上の方には懐かしい楽曲ばかりで大変楽しめるアルバムとなっています。

1. DOWN TOWN

山下達郎のシュガーベイブ時代の作品で、作詞は伊藤銀次です。オリジナルは1975年の発売ですが、1980年代にEPOがフジテレビ『オレたちひょうきん族』のエンディング曲で歌っており、EPOの楽曲として覚えている方も多いと思います。本アルバムでは荻野目ちゃんがノリよく歌っています。

2. Yes-No

オフコースの全盛期である1980年に発売された小田和正の作品です。オフコース、そして小田和正の代表曲の1つで、小田さんはコンサートでキーを変えずに歌い続けています。2017年に70歳になった小田さんですが、これからも変わらぬ歌声を響かせ続けてくれるでしょう。さて、本アルバムのアレンジはオリジナルに忠実で、印象的なキーボードの音色をそのまま再現させています。メロディーに荻野目ちゃんの声がマッチしており秀逸な出来です。

3. 片想い

浜田省吾のバラード曲をしっとりと歌っています。

4. 心もよう

1973年発売の井上陽水の名曲をせつなく歌っています。

5. 22才の別れ

なごり雪と並ぶ伊勢正三の名曲です。日本のスタンダード曲と言ってよいでしょう。荻野目ちゃんはアコースティックギターにのせて特徴ある歌い方で聴かせています。

6. 少しは私に愛を下さい

小椋佳の暗い感じの曲ですが、荻野目ちゃんはしっかり歌いあげています。

7. 神田川

1973年に発売されたかぐや姫の作品で、南こうせつの代表曲、並びに日本のフォークソングの代表曲です。荻野目ちゃんの歌声は子音をはっきり発声するので聴きやすいです。

8. 氷の世界

本アルバム2曲目の井上陽水作品です。2曲入れるということは井上陽水は好きなアーティストなのかもしれませんね。間奏にハーモニカを入れるなどオリジナルを意識した音作りになっています。荻野目ちゃんのサビの歌い方も陽水を意識しているように感じます。

9. 男と女

1981年発売のチャゲ&飛鳥のカバーです。飛鳥の薬物事件は残念な限りですが、この曲は大好きです。チャゲアスは途中から都会っぽいサウンドになりましたが、初期は田舎者の魂の歌のイメージを持つ曲が多いです。この曲もそのイメージで、荻野目ちゃんがあたたかく歌っています。

10. 秋止符

1979年に発売されたアリスの作品で、作詞が谷村新司、作曲が堀内孝雄です。のちに演歌歌手になった堀内孝雄による日本的な情緒あるメロディーで、荻野目ちゃんはしっとりと歌っています。

11. 青春の影

1974年に発売されたチューリップの作品で、財津和夫が作った名曲です。再結成したチューリップのコンサートでもよく歌われていました。2017年に闘病を公表し活動を休止した財津さん、元気な復活を祈るばかりです。荻野目ちゃんは名曲を語りかけるように歌っています。

12. 岬めぐり

1974年発売の山本コウタローとウィークエンドのカバーです。ほのぼのとしたリコーダーの音色をオリジナルに忠実に聴かせてくれています。荻野目ちゃんはアコースティックギターにのせてハキハキ歌っています。

13. 結婚しようよ

1972年発売の吉田拓郎の作品です。オリジナルとはアレンジを変えていますが、明るく聴きやすい声で歌ってくれています。

14. キャンディ

1977年発売の原田真二の作品で、作詞は松本隆です。原田真二は70年代後半に甘いルックスとセクシーな声でヒット曲を連発したシンガーソングライターです。憂いのあるピアノのメロディーにのせて歌い、オリジナルに近いイメージに仕上げています。

15. 夢想花(むそうばな)

1978年発売の円広志(まどかひろし)の曲です。一発屋の代表ともいえる円広志の「とんで、とんで、…」を高らかに歌いあげてアルバムを締めくくっています。

荻野目洋子『Songs & Voice』はおすすめアルバムです。ぜひ聴いてみてください!

安室奈美恵 衝撃の引退宣言! 優樹菜にはドン引き!

安室奈美恵、90年代を代表する沖縄生まれのトップ歌手。当時、若い女性たちの間でミニスカートや厚底ブーツなど、彼女の容姿を真似する現象が巻き起こった。人はそれを「アムラー」と呼んだ。アルバムの売り上げもミリオンは当たり前で、年齢や性別を問わず、幅広い世代から支持されている。

そんな安室が、今年でデビュー25周年を記念した特別ライブを故郷・沖縄で開催した。2万人以上の観客を動員した。
その直後、公式サイトで1年後に引退することを発表した。これには多くのファンがショックを受けたことだろう。このことをうけて、木下優樹菜がインスタグラムで安室の曲を流しながら自身の泣き顔を投稿していた。しかしこれは文字で「安室ちゃんが引退して悲しい」とツイートすればいいだけの話なので、この行為自体には批判的な意見が多いようだが、きっと他の芸能人やファンも同じ気持ちなのだろう。海外にもたくさんのファンがいるので、引退による社会的影響力は計り知れない。しかし、悲しむにはまだ早い。今回の件を機に、デビュー25周年を記念して、初のコンプリート・ベストアルバム『Finally』が11月8日にリリースされる予定らしい。また、来月2月より国内外最後となるツアーも開催されるので、アムラーの方々はぜひ足を運んではどうだろうか。

それにしても、引退した後彼女は何をして過ごすのだろうか。印税や資産のことを考えればずっと楽しく遊んで暮らせそうだが。自ら年齢的にそろそろ限界だと思ったのだろうか。そういった意味では、ファンのみんなに自分の衰えた姿を見せたくないという、彼女なりの気配りなのか。いずれにせよ、引退までの残りの期間、元気に歌っていてほしいものだ。